黒狼と猫の総長様






『それにしても、珍しいですね?


やっと教室来てくれるんですか?』







そう言った海斗に、今度こそ出るため扉に手をかけながら見る。





『海斗、ごめんだけど、自主的に私が教室に行くことは、絶対にありえないわ』






それだけいって、扉を閉める。






……朝なのに、いらない体力を使った気分ね…。






さて、これからどこに行こう⁇







『玲彩ちゃん! 今夜俺とどう?』






そんなことを言って話しかけてくる男たちを見事にスルーして、空き教室にたどり着く。







ここは、私の第二のサボり場だ。




……ここもルキと海斗にはばれてるんだけどね。





ガラガラっと勢いよく教室を開けて、ソファに埋もれる。





『……暴走族、か』






ボソリとつぶやきながら、さっきのヤツらを思い浮かべる。





悪いヤツらじゃなかった。






俺様がいたけど。