黒狼と猫の総長様




『お前ら、俺をヘタレと言ったな?』





にっこりと、君の悪いくらい爽やかな笑みを浮かべながら翔が笑う。





……厭な予感しかしないのは、なぜ?





なんか、黒いよね!?



なんで怒ってるの? とは、言わないから。



せめて、もう少し治ってほしい。






じゃないと、私がきつい。





『……玲彩、行くぞ』




そう言って翔は私の腕を引っ張り、空き教室からでる。




『行くって、どこに!?』




そんな私の叫びを無視しながら、上に登っていく翔。




……屋上?



翔は、屋上に向かってるの?






『……翔?』



バンッと音を立てて屋上の扉を開けた翔に、恐る恐る声をかける。




……恐る恐る、なんて。




ガラじゃないのよ。






『……お前、ムカつく』





『は?』






ずっと黙っていた翔が、そう口を開く。





待って。




人を引っ張って、散々無視して。




口を開いたかと思えば、ムカつく?




残念だけど、私の方があんたにムカつく権利があると思うわ。