俺が、好きになった女だ。
信じなくてどうする。
『……玲、彩。話してくれて、ありがとう』
初めて名前を呼んだ俺に、目を大きく見開かせる玲。
『……なんだ?』
『……っ、今、名前……』
名前?
ああ、確かに呼んだな。
『嫌だったか?』
『……いや、そんなことは無い』
そう言って、玲彩が顔を背ける。
もしかして、だけど。
『照れてるのか?』
顔を覗き込もうとした俺から、慌てて視線をそらす玲彩。
『……ふっ、可愛いやつ』
俺がそう言った瞬間、教室の空気が固まった。
……そういや、他の奴らもいるんだった。
ルキさんたちも……。
今更後悔して、顔を隠す。
『……翔、いくらお前が透の息子だからって、玲彩を譲るわけにはいかないからな!』
『ルキに同じく。
てめぇには渡さねぇよ、翔』
そう言って俺に殺気を向けてくるルキさん達。
……怖ぇ…
流石先代の方だ。
俺は、まだまだ弱いな。



