私は、油断してたんだ。
その時にはもう、黒狼として活動してたから。
組にぐらい勝てるって。
私の、考えは甘かった。
私は加藤に拉致られた。
昔と、逆で、今度は祐希が助けに来てくれた。
加藤を祐希がぶん殴って、倒れたのを見て、私たちは安心してしまった。
ふ、と、祐希が息をのむ声が聞こえて、視線を祐希に合わせ、視線の先をみた。
加藤が、私に、拳銃を向ていたのだ。
……動けなかった。
死ぬって事が怖くて、その場に、足が縫い付けられたように。
『じゃぁな! 黒狼!』
そう言って加藤が拳銃の引き金を引いたのと、私が目を瞑ったのは、同じタイミングだった。
くるであろう痛みを覚悟してた私は、拍子抜けした。
何も、なかったから。



