『玲彩、お前は、組も、財閥も継がなきゃいけない。
きっと、大変な事だって沢山あると思うけど、乗り越えていける。
お前は、私たちの子だからな』
父は、よくそう言って私に笑いかけた。
そんな父と、優しく、厳しい母が、私は大好きだった。
私が3歳ぐらいになった頃、初めて透さんと遙さんと愛騎さんと充さんにあった。
皆、優しかった。
透さん達は喧嘩を教えてくれた。
遙さんは、家の事がまるっきりダメな母の代わりに、家事を教えてくれた。
私は、6歳になった。
その頃、初めてパーティーに出席した。
6歳である私に隠す気もなく、ニコニコと作り笑いでご機嫌取りをしてくる大人を、沢山みた。
しばらく、私も同じようにニコニコと接していると、私よりも少し年上の男の子が、私の手を引いて外に出た。
これが、私と、咲神祐希の出会い。