『……加藤…』
そう呟いた私を見て、ニヤニヤと近づいてくる。
『俺の事、覚えてるかぁ〜⁇
玲彩ちゃーん』
あの時と変わらない、気持ちの悪い笑みを浮かべて私を見る。
『……忘れられるわけ、ないでしょう?』
強く拳を握りしめたせいか、爪が食い込んで血が出る。
『そりゃそうか!!!
お前の眼の前で。
大切な人を、殺ったんだからなぁ⁇』
そう言って笑う加藤を視界に入れぬよう、目を閉じる。
『現実逃避するなって!
もう、いないんだろ?
お前の隣に、あいつはさぁ?』
我慢、できなかった。
いつの間にか、無意識に加藤に殴りかかる。
その拳は見事に顔面ヒットし、加藤が吹っ飛ぶ。
『ははっ、落ちてないねぇ…腕』
そう言ってニヤリと笑う加藤に、背筋がぞくっと震える。
『……何で、笑う』
この状況で、笑える意味がわからない。



