私も、もう高校生だし、いつまでも待ってられない。
今日、私の里親が来る日なのだ。
先生は、私の知ってる人とか言ってたけど、誰だか分からない。
「瑞穂ちゃん。来たよ~」
「はーい」
先生が私を呼ぶ声が聞こえた。
どんな人だろう。
緊張と不安が入り混じる。
先生の所に行くと、そこにいたのは、黒髪の男の人。
「初めまして?七海瑞穂といいます。よろしくお願いします」
「初めまして?」
「違うわよ。この子は・・」
「シー。当ててみて」
「え・・・」
当てるって、知らない人を?
「分かりません」
「早いな。俺のこと覚えてねーの?」
どっかであったかな?
「そりゃ、10年前だもんな」
男の人は少し寂しげな表情をしている。
10年前って、ゆう君?それとも慧悟?
一か八か
「慧悟ですか?」
10年も待たせてゆう君に期待なんかしない。
「違う。てか、慧悟って誰?」
どうして怒ってるの?
名前間違ったからかな・・・
「じゃあ、ゆう君?」
「当たり。・・久しぶりだな、みぃ」
嘘・・ほんとにゆう君なの?
「10年間ずっと会いに来てくれなかったのに?」
「それはホントに悪かったな。色々と事情があってさ・・」
ゆう君が来てくれた。
「本当の本当ににゆう君なの?」
「あぁ。俺は本物の、桐生優太だ」
ちゃんと、約束を覚えててくれたんだ。
「ありがと。ゆう君、約束守ってくれて」
「・・・・やばいな。その笑顔」
私の笑い方変だったのかな?
