大阪はミナミ。


アメ村の西端にその店はあった。




四ツ橋から、高架下の小さな自転車屋の横を抜け、少し行くと赤い提灯が見える。


コンクリートのビルの一階。


ゴチャゴチャと古着屋やカフェが並ぶ中、そこだけやけに和風の趣き。


『お好み焼き・流れ星』


筆字でそう描かれた提灯に照らされて、古民家調の店先が夜の街にほの赤くぽっかりと浮かんでいた。




開けっ放しの木製の引き戸から、はみ出るように立ち並んでいるのは、席を待つ客らしい。


若者たちが数名、スマホ片手にふざけ合っていた。




とまー、ここが、オレのバイト先。