「梓……」


無防備な寝顔にささやきかける。


自分の肩にゆだねられた重み。

微かな吐息。

温かな体温。

愛しさがグッと込みあげてくる。


「幸せになろう……」


そうささやくと、長いまつ毛が小さく震えた。


軽く開いた唇に、顔を寄せて

眠り姫を起こさないように


そっと……キスをした。