酔っぱらって路上でリカコを抱き締めた晩。

その翌日、沢井さんは泣き腫らした顔で店へ来た。

どんだけ泣いたらそんな顔になるねん?って顔をして。


これまで秘めていてくれたのかもしれない想いに、胸が締めつけられた。

オレの独りよがりだろうと片づけた自分の愚かさに呆れた。


だけど、きっと愛想をつかされたと思ったし、

それが順当な罰だと思った。


だからただ彼女の幸せだけを願おうと決めたのに、その覚悟とは裏腹に、どうしても彼女に目が行ってしまう日々を重ねた。

そして極めつけは、今夜の泣き顔……。

真夜中にやってきて
真っすぐに想いを告げてくれた。

それから――

オレが告げた想いに、止まらなくなった涙。

鼻の頭も、耳も赤く染まっていて……。

なんでこんなオレに……?

って正直にそう思う。