そのまま仕事が始まって……
お昼前、交通費精算の伝票にサイン漏れがあり、わたしは営業一課のデスクに向かった。
「あれ、桂木さん外出しちゃいました? サイン欲しかってんけど」
さっきまでいたはずの桂木さんがいない。
「いや、あいつ会議室で社長と話しとるで。出張前の打ち合わせちゃう?」
「そんなら後にしよっかな」
デスクに戻り、会計伝票の入力を始める。
カチカチと、テンキーを叩く音が耳に響いた。
朝一で起こった流れ星の一件は、まだ収まってはいない。
でもどうしたって店を開ける夕方までには、営業可能かどうか判断しなければならなかった。
社長はあいにく午後の便で海外出張へ発つ予定が入っており……、てことは他の誰かが、店の状態を確かめに行くんだと思う。
残されたスタッフだけでやっていけるのか。
それとも、しばらくは休業しなくちゃいけないのか……。
もし休業となっても、家賃は同じにかかるし、仕入れた食材も無駄になるから、会社としては何とかして店を開けたいはずだ。
せっかくついてくれたお客様の足も、遠のいてしまうだろうし……。



