「けどうち……、店長のこと好きやけど、アズちゃんのことも大好きやからなー。
困った、困った」


うるるんは自分で言って、フッと笑った。


「オレも桂木さん、好きやし」


結局はそーなる……。


「だったらさっさとくっついてくれんと、こっちも限界やしな」

「そーそー。いつまでチンタラやってんねんって感じ」

「もーそろそろ動き出すんかな~って思ってたら、元嫁がジャマしに来るから、またふりだしやん」

「うん……。でも起爆剤ってやつにはなったんちゃう?」


自分のチャリを引き出しながら、うるるんがつぶやいた。


「ん~。問題は桂木さんやな」


あの人の言動は、いつもオレの想定を超えてくるから……。


「でもまー、これで何も起こらんかったら、オレはもうガマンせーへんから。問答無用でアズを奪う!」


チャリのスタンドを蹴りあげながら、オレがそう宣言すると、うるるんはプッと吹き出した。


「ハハ。あんたは相手にされてへんから」

「うるさい」