ケラッと笑うリカコさんに向かって、桂木さんはさらにつけ加える
「だからもう……この店へは来んといてほしい。はっきり言って迷惑やねん」
え……?
「ヒョウ六と解決せなあかん問題は、ヒョウ六と話しあってくれる?」
「あ、うん。ゴメン……」
そっか、そっか、って、リカコさんはひとりでうなずきながら、お箸をとった。
そのまま下を向き、じっと固まってしまう。
たぶん……泣いてる?
桂木さんにそんなふうに突き放されるなんて、想像もしてなかったんだと思う。
それからリカコさんは、そっと指先で目元を拭い、お好み焼きを食べ始めた。
「えへへ、恥ずかし。とんだカン違い女やん」
なんてつぶやきながら……。
い、いーの? 桂木さん。
それって、本心じゃないんでしょ?
わたしとつきあってるなんてウソまでついて……。
カウンターの向こうの桂木さんは、もうリカコさんには目もくれず、鉄板の上の調理に集中しているように見えた。



