「ねぇ、慎ちゃん。もう時効かな、あの言葉……?」
そうして彼女の口から、さっきと同じ言葉がこぼれた。
まだやり直せる?って意味。
う。
聞きたくない。
それに対する桂木さんの返事は……。
い、いや、やっぱ聞きたい。
いや、聞きたくない。
内心パニクりながら、リカコさんの前の小さな鉄板にお好み焼きを置いたとき、桂木さんの声が降ってきた。
「うん。時効やな……」
え?
驚いて顔をあげると、トシくんとうるるんも同じように、桂木さんをガバッと振り返ったところだった。
「え、そうなん……?」
聞いたリカコさんが、一番意外そうな顔をしている。
「ゴメン、リカコ。オレ今、沢井さんとつきあってるから」
えっ?
え、えっ?
い、今なんて?
「えーっ、そーやったん?」
リカコさんが目をまぁるくしてわたしを見あげた。
「あ、えっと、まぁ……そう、かな」
これはおそらく話を合わせなきゃなんないやつで……。
「やぁだ。ゴメンね、沢井。知らんかった」



