「アズ……今頃泣いてるかも。桂木さんが可哀想やって」
「桂木さんキモ、の間違いやろ」
なんて荒んだことを言う。
「あの子はそんなん言いませんよ、いつも店長のことばっか心配してますもん」
「沢井さんも優しいからなぁ……。あの子には会社にいた頃から心配のかけ通しやわ」
「アズって会社でどんな感じやったんスか?」
と聞いてみる。
「普通のしっかりしたOLさんやで。会社ではオレ、沢井さんに頭あがらんし」
「そうなんスか?」
「うん。売上締めんの待ってもらったり、見積り出すの急に頼んだりとか、いろいろ世話になったからな」
「ふぅん」
「……ちょっと好きやったかも、昔」
「えっ?」
「可愛らしいし……」
「アズのこと?」
「淡―いやつやで」
と、桂木さんは言った。
は……?
「言っていい? あんたの元嫁、ホンマいらんことしてくれたな」
つい口が悪くなる。
「だって、放っといたら桂木さんとアズは、うまくいってたんちゃうん? それを結婚してくれだの離婚してくれだの、もう人生ボロボロにされてるやん」
「お前、それ言い過ぎ」



