「でも……オレ的には、泣いてスッキリしたかも」
と桂木さんは息をつく。
「ほんまッスか?」
「うん。正月明けてから、やたらリカコのこと思い出して……ちょっと変やってんな、オレ」
「ムリして気持ちを飲み込むからですよ」
「まったく……。男が泣いたらあかんとか、誰が決めたんやろ? 呪縛やんなぁ、あれ」
なんて桂木さんは言った。
「はは、ガマンしてたんですか?」
「別に。ひとりで泣いてたし」
「プハ」
「これからは男も、トシみたいに泣いてもええことにしようぜ。な」
「は? なんでオレ?」
「お前さっき、横で泣いてたから」
そう言って、桂木さんはチラッとこっちを見た。
「泣いてへんし」
ムスッと答える。
「優しいねんな」
フッと桂木さんが笑った。
それから桂木さんはまた、大きなタメ息をつく。
「みんなドン引きやったやろな……。明日からどんな顔して出勤したらええんやろ?」
「酔っぱらって、まったく覚えてないことにしといたらええんちゃいます」
「そやな、そうしよ」
あ…….
ふとアズのことを思い出した。



