「大丈夫なん? 桂木さん」
オレの肩からずり落ちそうになる店長を、アズが支えながらついてくる。
「先に車拾っとくな」
うるるんがそう言って、列を離れた。
と、そのとき――
目の前のカラオケ店から出て来たカップルと、まともに鉢合わせる。
「あ」
「え?」
「リカコさん……」
アズの声がつぶやいた。
カップルの女のほうは間違いなくリカコさんで、自分と背丈の変わらない華奢な男と、腕を絡めて寄り添っていた。
あれが、ヒョウ六……?
そいつは年齢も職業も、ちょっとよくわからん雰囲気の男で、無精ヒゲなのかファッションなのか、やっぱよくわからんヒゲをあごに生やしていた。
ヒゲ面のわりには中性的で、なんか繊細そうな感じのやつ。
眺めていたら、オレの肩にかかっていた重みがスッと消えた。
「え、桂木さん……?」



