「『早よ言えや、ボケ』とか言われたん? トシは口悪いからな~」
横のテーブルから、うるるんが口出ししてきた。
「いえ、『そういうの最初に言うてな。これ全部無駄になるから』って……言われました」
「は? めっちゃ優しいやん、オレ」
ホッとして胸を張る。
「いやいや、オーラが半端ないんです。何してくれてんねんって、イラっと来てはるん、はっきりわかるし……」
風花の言い分に、ユースケが笑った。
「風花も柚もトシさんの笑顔に憧れて、ここで働きだしたのになぁ」って。
「えっ、そうなん?」とうるるん。
「うん。ふたりで流れ星に食べに来たとき、ステキな笑顔の店員さんがいるなぁって。
バイト募集の張り紙見て『絶対この店で働こ』って、盛りあがってしまって……」
「トシの笑顔なんて、詐欺みたいなもんやんな?」
うるるんも笑った。
「は? 詐欺とか言い過ぎやろ、それ」
ムスッと膨れるオレを見て、みんなが笑う。
そんなやりとりをニコニコ聞きながら、桂木さんは杯を空けていく。
「桂木さん、ペース早過ぎません?」
横からそっと、アズがささやいている。
「えーよ、今日は。オレが責任持って連れて帰るから」
心配顔のアズに、オレはそう宣言した。



