おろしたお金をATMに入金しながら、つくづく自分が情けなくなる。
『お借りした50万、今ここでお返ししますっ』
てな感じで言い放った啖呵が耳に蘇った。
『貸したっけ?』なんて、とぼけてはぐらかしたのは、海堂さんなりの思いやりだったのかもしれない。
わたしに恥をかかせないよう、気を遣ってくれたとか……。
そもそもトシくんと海堂さんの関係も知らずに、早合点して乗り込んで、ドヤ顔でお金を叩きつけようとしていたなんて……。
恥ずかしすぎる暴走劇。
はぁ~。
思い出しては、またヘコみながら表へ出ると、トシくんが神妙な顔をして待っていた。
「アズ……」
「ん?」
「ありがとう」
なんてペコンと頭を下げる。
「いやいや、まだお金使ってないし……。お礼を言われることは何もないから」
とりあえずそう言って歩き出した。
これ以上のはずかしめは、勘弁してほしい。
「でもオレ、スゲーうれしかった」
トシくんは後ろからついてくる。
「アズ、本気で心配してくれたやん」
大股ですぐに追いつき、隣に並んだ。
「スゲーうれしかったから……」
ポソッとつぶやく声にちらりと横を見ると、いつになくしおらしい顔がこっちを見ていた。
フフ。子供みたいで、ちょっと可愛い。



