「寂しい?」
そう聞いたら「向こうがな」って下を向いた。
「ふふ、トシくんでもそんなふうにヘコんだりするんやな」
「またそーゆーことを言う」
トシくんはフ~と息を漏らした。
「だけどトシくん、いつも『誰にも負けへん!』って顔してるよ」
「そーかな?」
「そういう顔を見せに行くだけで、うれしいかもね、海堂さんは」
そう言ってにっこりと微笑んでみせた。
「は? あいつ、そーゆー玉か?」
「そーゆー玉、そーゆー玉」
わたしが胸を張ると、トシくんもつられて少しだけ笑った。
「あ、コンビニ」
そうそう。
わたしの大金を口座へ戻しておかなくっちゃ。
「アズ」
すぐ先のコンビニの前で、トシくんはやっとわたしの手首を離した。
「ほんまに下ろしてくれてたんか? 50万円」
「あー、うん」
「なんで?」
真剣な顔でそう聞かれた。
「だって、1本の半分って言うから、50万円かと思ったんやもん」
「そうじゃなくて、なんでオレのために?」
「だってトシくん、悪徳業者にひっかっかってんのかと思ったから。これでカタがつくなら、まぁいいかと、」
そう答えたのに、トシくんは不可解そうに首を横に振る。



