「はいはい」
男はまた、浮かした腰をソファへと戻した。
え~と、これは……?
代表とトシくん。
ふたりの関係性は、どうやら自分が考えていたものとは微妙に違っているようで……。
今頃になって、やっとそのことに気がついた。
「アズ、この男、オレの実家知ってるから」
トシくんが思い出したようにわたしを見る。
「え、」
「だからアズがオレの姉ちゃんじゃないってこと、バレてる」
ええっ?
「な、なんで早く言ってくれへんのよ」
「は? 言うヒマあった?」
えー……。
これまでの自分の暴走ぶりを思い起こして頭を抱えた。
「す、すみません! 話を聞いて欲しくて、姉だなんてウソをつきました」
とりあえず謝る。
「イヒヒ。『姉です!』って、毅然としていてカッコよかったですよ~」
なんて、わたしの口真似をしながら男は笑った。
「は、恥ずかし……」
「なんのなんの」
ソファにもたれて肩を揺らすこの人が、え~と、トシくんを殴った悪い人だってことは……?
合ってるんだよね?



