営業前のホストクラブの店内は真っ暗で、しばらくその場で待つと、先に奥へ入った代表が明かりを灯した。
うわぁ……!
目の前に異空間が広がる。
高い天井には大きなシャンデリアがバーンと四つ配置されており、その周りに小振りのものが幾つもキラキラと輝いていた。
その輝きを映して煌めく重厚な家具は、外壁と同じく艶のある黒で統一されている。
鏡張りの壁がその洗練された空間を、より広く演出していた。
わ……じゅうたんフカフカやわ。
毛足の長いじゅうたんの上を、案内されるままに歩く。
普段は足を踏み入れることのない豪奢な雰囲気に、完全に飲まれているくせに、気分はなぜかあがっていく。
こ、これがホストクラブかぁ……。
「どうぞ」
勧められたのは黒い革張りのソファ。
「どうも」
ナメられてはいけない。
舞いあがった気持ちを押し隠し、澄まし顔で腰を下ろした。
「キャッ」
ところがソファは柔らかく、預けた体が思いのほか深く沈んだので、思わず声が出る。
「で、お話は?」
もう向かいの席に座り、その様子をニヤニヤと眺めながら男は聞いてきた。
う……。



