「店長……。淋しかったら、ウチのこと抱いてええよ」


うるるんがそんな店長を真っ直ぐに見あげる。


「はぁっ? だから、さっきからそれがあかんと言うてるっ」

「あっは、ウソやん」


うるるんがはじけるように笑って、やっといつものふたりに戻った。




「そんな……」


焼き場では、アズちゃんが震える指先で口元を押さえている。

桂木夫妻のこと、きっとまったく知らなかったんだと思う。


「お前の先輩、サイテーやな」


トシさんはそう吐き捨てて、ホールへと出て行った。