「うちかて店長には敬語使ってます~」

「言うとくけど、ユースケはオレに敬語使ってくれてるで。お前も敬えや」


「ボク、トシさん尊敬してますんで」

と、ここは口をはさんでおいた。


「可愛いなぁ、ユースケは。誰かさんとちがって」

「別にトシに可愛いとか思われんでええもん」


ツーンと、うるるんがそっぽを向く。


「トシくん」


そこでアズちゃんが厳かに言った。


「わたしトシくんより年上やで、だいぶと。なのに敬語使われたことないねんけど」


はは、確かに。


「別にオレ、アズに可愛いとか思われんでええもん」


トシさんは平気でそう言った。

そしてさっきから桂木店長は、みんなのそういうやりとりをただニコニコと眺めている。


「店長、何ですか? そのほのぼのと幸せそうな顔は」

「いやこういうのもええなーと思って。みんな仲良くてうれしいな」


え。


「いや、言い合いしてますよ?」

「むしろ仲悪いし」

「やっぱズレてるよな、桂木さんは」


みんなが口々に言う。


「ええねん、店長が一番可愛いもん!」


そう言ったうるるんの言葉に、4人で『うんうん』とうなずいた。