「あっは。スゴイな、それ」
とトシくんが笑う。
「たぶん飲食店ならどこだって、そーゆー目標をかかげてやってますよ。だけどそー簡単にはいかないっしょ。
もっと大手のチェーンや有名店がいっぱいあるんやし、」
「それでもオレは、作ろうと思う」
トシくんの言葉にかぶせ気味にそう言うと、桂木さんは小さく息を吸った。
「今はまだ自分のことでいっぱいいっぱいで、全然届かん夢やけどな。でも、お好み焼きが食べたくなったら、誰もがなんの迷いもなくうちに来てくれるような店にしたいねん」
「他のどんな店よりも?」
「うん。そんなもん眼中になくなるくらいに」
わ……。
「えらい大きく出ましたね」
トシくんがポカンとしている。
それでも動ぜず桂木さんは言った。
「トシくん一緒に作らへんか、そういう店」
真剣な目がしっかりとトシくんを見つめている。
「……うん。えーやん、それ」
トシくんは一瞬言葉につまり、それからポツッとそうつぶやいた。
「よっしゃ、作ろう」
桂木さんはニコニコッと笑い、視線がそのままこっちに向いた。



