「そんなにがんばるんは、あの人のこと、好きやから?」
きれいな目線がツーッと動いて、わたしの目の中に留まった。
心の奥まで見透かされる感じ?
「こ、こら。桂木さんには奥さんいるって言うたやん」
「別にオレ、桂木さんとは言うてないけど」
あわてて否定したら、ポソッと言われた。
「お~い、トシくん。ちょっと教えてくれる?」
そこで桂木さんに呼ばれて、トシくんは冷蔵庫のほうへと去っていく。
ふ~。トシくんってホンマ鋭い。
「ホストやねんで、トシって」
いつのまにか横に来たうるるんが、耳元でささやいた。
「ええっ、そーなん?」
「うん。今はここが忙しくて掛け持ち休んでると思うけど」
「うっそぉ~、びっくり……!」
「な。ありえへんやろ? あんなに口が悪くてホストなんか務まるんかな?」
「うわ~、全然想像できへんけど……。でも、ちょっぴりわかるかも」
意外だけど……、『なるほど』と思えなくもない。
「え、アズちゃん、もしかして口説かれたん?」
「まさかまさか。でも人の心の動きがよくわかるっていうか、トシくんって気配りハンパないやん?」
まさに桂木さんにはないスペックを持ち合わせている。
「なぁアズちゃん。今度見に行こうよ、トシがホストやってるとこ」
「ええっ、行くっ、行くっ」
ふたりして目を輝かせ、がっしりと手を取り合った。



