「あ、ゴメン。次何しよ?」
そう聞いたのに、トシくんは少し首を傾げて、わたしの顔をうかがってくる。
「体キツイんちゃうか? 会社でフルに働いてんのに、こっちもずーっと手伝ってくれてて」
涼やかな瞳がじっと見つめる。
「それはみんなも一緒やよ。うるるんもユースケくんも学校あるのにがんばってくれてるし、トシくんも桂木さんも毎日遅くまで、やろ?」
「いや、会社との掛け持ちのほうがキツいと思う。残業も多いみたいやし」
ん、結構わかってくれている……?
「でもな、アズが来てくれて、めっちゃ助かってる」
とトシくんは言った。
普段はポンポンとキツめの言い方をする子なのに、今このタイミングでそーゆーこと言われると、ちょっと泣きそうになる。
そうそう、そーゆー言葉を桂木さんから言われたかったんだ、きっとわたしは。
「ごめんな、頼りにして。せめてタイムカードぐらいちゃんと押しときや」
トシくんはそう続けた。
わたしがタイムカードを使っていないことまで、きっちり気がついている。
「いい、いい。ちょっと手伝ってるだけやから」
「そーゆー域はとっくに超えてるやろ。何時間働いてんねん、自分」
「いーからいーから。お金が欲しくて来てるわけじゃないもん」
胸の前で手をブンブンと振って、ご辞退申しあげた。



