「だってな、店長がんばってたやろ、研修のとき」
こっちに戻って来たうるるんは照れくさいのか、言いわけみたいにそう言った。
「蹴られても蹴られても『痛くないよ』って笑ってたんは、ウチが怖がるからやもん。ほんまはときどき痛そうに足引きずってた」
「はは、だから店に残るん?」とトシくん。
「うん……。なんかな、なんでかわからんけどときどき感動するねん。あの人見てたら」
「それちょっとわかるな、ボク」
とユースケくんが言った。
「ふふ。よかった! あとはバイトの人が増えたら、うまくローテーションできるなぁ」
わたしも声をかける。
現状ではトシくんはもちろん、うるるんもユースケくんも学校があるのに、毎日休めない状態だから。
せっかく店に残ってくれたのに、プライベートへの負担が大きいと、やっぱり続けられなくなってしまう。
「新しいバイトの人より、うちはアズちゃんがいいな」
な~んて、うるるんは可愛いことを言ってくれた。
「でも……。桂木さんはアルバイトの人が欲しいみたいよ。求人のこと、すごく気にしてた」
そうわたしが答えると、トシくんが説明してくれる。
「まー、人数が欲しいからな。バイトが増えたらピークのときだけ、人を増やしたりできるやろ。逆にヒマになれば減らせるし」



