「ヒッ」
西条さんの声が、声にならない。
「西条さん、うちの子らに何もしないって誓って下さい。
でないとオレ、何かされてからあんたを探して殺しに行くくらいなら、今ここで……殺す」
「ヒ、ヒェ」
ユースケが握った手をゆさゆさと揺さぶってくる。
「ト、トシさん、どうしましょ、ヤ、ヤ、ヤバいです」
「う、うん」
これはマジで止めなアカンやつや。
ふたりして厨房へ向かおうとしたとき、西条さんが悲鳴をあげた。
「ち、誓うっ! 何もせーへん。冗談や、冗談っ」
「ほんまに?」
「ほ、ほんまやっ。そ、そんなこと本気でするわけないやろっ」
桂木さんはパッと、西条さんに回した腕をほどいた。
「ですよね」
にっこりと顔をあげた桂木さんを見て、西条さんが絶句している。
オ、オレらも絶句や、絶句!



