「わかりました」
桂木さんはそう答えると、調理台の上に手を伸ばした。
そうして手に取ったのは、置きっぱになっていた空のビール瓶。
ガッシャーンッ!
次の瞬間、桂木さんは瓶を調理台の縁に叩きつけた。
それからスイッと西条さんの後ろへ回り、回した腕でグッと首元を絞めつけて、西条さんが動けないようにホールドする。
エッ!?
そうして底が割れてギザギザに尖ったビール瓶を、西条さんのあご先へと突きつけた。
「ヒッ、な、何すんねん桂木っ」
エーッ!?
ユースケとオレもギョッとして顔を見合わせる。
「オレは……」
桂木さんの口が静かに動いた。
「うちのスタッフに何かあったら、西条さん、オレはあんたを殺す」
「こ、殺…っ?」
ユースケがはっしとオレの手を掴む。
「あ、あほっ、お前何言うてんねん。そんなことしたら、人生メチャクチャになるぞ」
うわずった声で西条さんが叫んだ。
「別にいいです」
「はぁっ? ええことないやろっ、嫁さんとか会社とかどないすんねん」
「ええねん」
そこで桂木さんはさらにグイッと、西条さんの首にビール瓶を突きつけた。
マジで刺さりそうなくらいに……。



