「桂木、お前があきらめへんのなら、代わりに他のバイト連中に辞めてもらうわ」
「は? どういう意味ですか?」
桂木さんが西条さんを見る。
「バイトの……トシ? あいつホストなんやろ? あいつの顔グシャグシャにつぶして、二度と店に出れんようにしたろか?」
ゆっくりといたぶるように西条さんは言った。
えー、なんか安いセリフやぞ。
「ユースケって大学生なぁ、あいつの指折ったら、ギター弾かれへんよーになるけど、いい?」
ヒェ、とユースケが変な声を発し、青い顔してオレを見る。
「な、何を言ってるんですか、西条さん」
驚いて聞き返す桂木さんを無視して、西条さんは続けた。
「それからあのブスふたり? 嫁に行けん体にしたろっかな?」
な~んて芝居がかった脅し文句を連発する。
ぷ。ブスふたり……て。
「ト、トシさん、本気なんでしょうか、西条さんは」
横からユースケが聞いてきた。
「いや、桂木さんを辞めさせるための脅しやろ」
「店長、ボクらを守って辞めてしまうんじゃないでしょうか?」
「あー…、そやな」
桂木さんにしたら、会社へ戻るいい言いわけになるのかもしれない。



