「ね、いつもよりしつこいでしょ?」
ユースケがオレに耳打ちをした。
「うん……」
昨夜の西条さんの言葉を思い出す。
3万円返すのが嫌だから、絶対に桂木さんを辞めさせるってやつ。
「なぁ桂木、もうあきらめて会社へ戻れや。どのみちオレが及第点をやらんかったら、お前は店長になられへんねんで」
今度はなだめるような口調になる。
「心配せんでも、お前んとこの社長にも、流れ星本部のほうから、うまいこと言うてもらうわ。お前には向いてなかったってな」
本気でたたみかけにきてるやん。西条さん。
「そーしたら会社に戻れるんやで? お前もそのほうがええやろ?」
西条さんがニヤリと笑った。
「いえ。西条さんから合格点をいただけるように、もっともっとがんばります」
へこたれない桂木さんの、へこたれない発言に、西条さんがチッと舌打ちをした。
「悪いけどな、オレはお前が大キライや。だから合格点なんかやらん。逆にお前を辞めさせるためなら、どんなことでもするで」
低くドスを利かせて西条さんは言った。
どうやら今度は脅しに入るらしい。



