流れ星スペシャル



「あれ? 上手に焼けてるやん、店長」


うるるんがそう言うと、桂木さんはうれしそうにうなずいた。


「うん。ちょっと食べてみて」


箸をとってきて3人で一口ずつ食べてみる。


「おいしい! ちゃんとできてる」


うるるんがそう声を上げて、オレとユースケはコクコクとうなずいた。


「そっちはどうかな?」


桂木さんが調理台のほうを指差した。

台の上には焼き上がったメニューが数皿載っかっている。

昨日練習した豚玉やイカ玉もあった。



「どうも合格したみたいやねん」


敬語スイッチの入らないまま、桂木さんはそう言った。


「え? あんなに怒られてたのに? 西条さんが『合格』って言ったん?」

「いや、焼きあがったものをまじまじと眺めて、それから一口口に入れて『ふうん』と言っただけ。手際が悪いから相変わらず叱られてるし」


「それで合格なん?」

「おそらく」

「あんなに蹴られてたのに?」

「うん……」


「すっごいプラス思考ですね、店長」


横からユースケが小声でささやいた。


「でもな、『焼き直し!』とも『こんなん客に出せるか!』とも言われへんかったから」


と桂木さんは言った。