そんなわけで翌日からの研修は、難なくクリアできると思ってたんだけど……。
次の日オレが店入りすると、相変わらず西条さんの怒鳴り声が、店内に響き渡っていた。
昨日と同じく、うるるんとユースケが柱の陰からのぞいている。
「トシさん、店長かわいそうッス」
ユースケが悲痛な声でささやいた。
「今日はちゃんと焼けてるのに怒られてるもん」
うるるんもオレに訴えてくる。
「さっきもな、昨日教わったやつ、テストされてた。
『ちゃんと焼かれへんかったら、オレはもう帰るで』なんて脅されてたし」
「で? どうやった?」
結果が気になって、思わず聞いた。
「店長焼けてたんです。豚玉もイカ玉も。それなのに『遅い』とかって、やっぱ蹴られて……」
ユースケがつらそうに教えてくれた。
「焼き色を確かめようとコテで浮かしてのぞいたら、めっちゃ怒られるねん」
うるるんも口をとがらせる。
「そっか、桂木さんはどうしてた?」
「悪くないのに『すいません』って謝ってて……。でも焼き色をのぞくのはやめへんから、めっちゃ蹴られてた」
と、うるるんは涙ぐむ。
「『見ないとわからないんで、すみません!』って、堂々と繰り返すから、西条さんの機嫌がどんどん悪くなっていくんです」
ユースケもそう言って唇を噛んだ。
あちゃ……。オレのせいか。



