「で、できた、トシくん」
しばらく皿を洗っていると、桂木さんが呼びに来た。
プ。
紅潮した顔を見て、思わず吹き出してしまう。
一生懸命作ったんだろーな。それがどんな評価を受けるのか、緊張した面持ちで待っている。
見に行くと、お好み焼きが二枚、鉄板の上で湯気を立てていた。
豚玉とイカ玉。
こんがりと狐色に焼きあがったお好み焼きは、形も大きさも文句なしの出来栄えだった。
「ふ~ん」
オレはコテを手に、まずは豚玉を真ん中からふたつに裂く。
それから小さく切って、口の中へ入れてみた。
外はカリッと中はふんわり! 流れ星チェーンの詠い文句通りの仕上がりだった。
「うまっ」
次にイカ玉に手を伸ばす。
いい出汁が出ていて、味も焼き加減もバッチリ。
「うっま」
もう一度そう言いながらモグモグやってると、桂木さんはフ~……と長い息をついた。
「よかった……。トシくんにほめられたら、もう怖いものはありません」
なんて顔をくしゃっとさせて笑う。
「え、まだほめてへんけど」
「うまいと言ってもらえたら、それが何よりのほめ言葉です」
らしい。



