そうして、営業が終わり――
昨日と同じく、桂木さんとふたりだけの締め作業となった。
「今日の研修、何習ったん?」
ホールから食器を下げてきた桂木さんに聞いてみる。
「お好み焼きです。焼いたのは豚玉とイカ玉ですが、中身が変わっても基本は同じだということでした」
「まぁな」
え、そのふたつを教わるだけで、あんなに怒られてたんか……?
一瞬、気が遠くなる。
「で? 焼けるようになったん?」
「いえ、それは、まだ……」
桂木さんは神妙な顔をして、首を横に振った。
「やろ~な」
あんな悪意のある教え方じゃ、それもしゃーないと思う。
洗い場では置きっぱになった食器が山積みにされていた。
「焼いてみ」
それを洗いに行こうとする桂木さんを呼び止める。
「え、でも」
「どうせ店閉めてから、ひとりで練習しようと思ってるんやろ?」
この人の行動パターンなら、だいぶつかめてきた。



