「え、落としたん? ネイル」
「そやねん。それをはがしてもらいにサロンへ行ってたから、遅なったんよ」
当たり前のように、アズが言う。
「えっと……。よかったん? キレイやったのに」
「うん!」
そう聞いたら、アズはちょっと恥ずかしそうに、エへへと笑った。
…………。
パシッと、うるるんにが背中を叩かれる。
「ありがとう、やろ? トシ」
「えっ、あー、ありがとう」
「ほんで? いつまでアズちゃんの手握っとくつもり?」
それから、うるるんにそうツッコまれた。
「あ、」
慌ててパッと手を離すと、うるるんはさらに冷やかしてくる。
「トシさー、忙しいねんから、ちょいちょいフリーズするの、やめてな」
「は? 別にフリーズなんかしてへんやん」
「してた、してた。さっきもアズちゃんの顔見て……、」
「わ~、うっさいっ。さっさと2番へ豚玉持って行けっ」
話をさえぎって指令を出すと、うるるんはボソッとつぶやいてから、ホールへと向かった。
「顔、赤いで、トシ」
くっそ、遊ばれてる。
「えっと、アズは8番、海鮮塩焼きそば二人前な」
「はーい!」
まー、とりあえず、店は何とかなりそうな……感じ?



