「いらっしゃ……」
そのとき入口から、女がひとり入って来た。
「あ」
ツカツカと真っ直ぐに、オレの目の前まで歩いてくる。
「え、アズ……?」
「うん。遅なってゴメンな」
見覚えのある顔が、焼き場を見あげて、フワッと笑った。
え……。
「や、でも今日は……」
「すぐに着替えてくるね!」
言いかけたオレの言葉を聞きもせずに、アズはもう事務所へと入っていった。
いや、でも今日は断ったはず……。
「プッフ」
横でうるるんが吹き出した。
「何?」
「トシが今、フリーズしてた」
「は?」
「アズちゃんの可愛い笑顔に見とれて、固まってたし!」
アハハ、と笑い出す。
「はぁっ? み、見とれてないわっ、ボケッ」
そんな言い合いをしているうちに、本当に急いで着替えたらしく、アズがもう出てきた。



