「ありがとうございました」
「「ありがとうございましたぁ」」
客が一組帰る。
と、洗い場からスタスタと桂木店長が出て行って、空いたテーブルを片づけ始めた。
ぎこちない手つきで食器をトレイに重ね、丁寧にテーブルを拭いている。
「よかったぁ……」
トシさんが吐息のような声を出した。
「店長ついにやりましたね」
ボクが喜んで振り返ると、トシさんはハッと我に返った様子。
急に不機嫌になって、こう言った。
「なんで片づけができたぐらいで、こんなに喜ばなあかんねん」
「そりゃまぁそーですけど……。でも、努力する人は必ず成長しますから!」
そうなだめたら、トシさんの口がさらに尖った。
「言うていい? お前皿引くのに、なんか努力要った?」
まぁ、そーやけど……。



