「あいつ、今日大量に割っとったから、儲かるで、ユースケ」
飛び散ったガラスをほうきで集めている店長を振り返って、トシさんがささやいた。
「積んである取り皿、全部倒してましたもん。3000円は固いっすね」
「マジか……。それ本気で弁償した方がええんとちゃうん」
「いや、今日は初日なので大目に見て、貯金箱に入れといてもらいましょう」
ボクがそう言うと、トシさんは声を立てて笑った。
「ははは、好きにし。向こうが社員なんやしな」
さっきから思ってたけど、この人笑うとめっちゃ子供っぽい顔になる。
「トシさんって笑うとおぼこいですね。何歳なんですか?」
「え、21」
「えーっ、ボクと2コしか変わらん。もっと年上かと思ってました」
「うるるんも19?」
「ボクと同学年やから18か19です」
「あいつ、オレにいっこも敬語使わへん」
トシさんがちょっと憮然と言う。
「ボクなんか、完全に下に見られてますからね、うるるんには」
笑って答えながら、いいことを思いついた。
あの貯金箱に、またお金が貯まったら、新生流れ星の親睦会をセッティングしてみようかな……。な~んて。



