「なんか、高校生みたいですね」


わたしのユニフォーム姿を見て、桂木さんは言った。


「えっ、わたし?」


「うん」


こ、高校生? これが?




「それは言い過ぎやろ、いくらなんでも」


ボソッと聞こえた毒舌は、絶対にトシくん。


ム、こいつ……。




それでもさぞかし落ち込んでいるだろうと思われた桂木さんが、意外と平気そうなのでホッとする。


「あいつ、出来な過ぎて、自分がどんだけ出来てないかも見えてないねん」


ぽそっと、トシくんが言った。


「そうかも……」




これからの桂木さんの行く末を案じると、胸が痛む。


「ちゃんと、やっていけるんやろか……」


「さぁ」


「かわいそう、桂木さん……」


「は? かわいそうなんは、オレや」


トシくんがまた毒を吐いた。