「お前、注文とったん?」
お、お前……?
「ハンディ使えるんか?」
と続けて聞かれた。
「たぶん……」
答えながら頭を突き合わせ、プリントされた紙をふたりで覗き込む。
『テーブルNO.3 生ビール中ジョッキ 5』
うん。ちゃんとできてる。
「ドリンクはだいたいわかるけど、料理の入力はややこしそうやし、一度説明してもらわな無理かも」
とわたしは言った。
「説明されたら出来るってこと?」
「たぶん。わたし、会社でこの店の経理担当やから、メニューの内容なら、だいたいわかってるし」
「は……よかった」
上気したその子の顔が、心底ホッとした表情になった。
勝気な顔が、また幼くなる。
「説明させるわ。先ドリンク持ってって」
そう言うとその子は、焼き上がったお好み焼きをチリトリという大きなコテに載せ、自分で客席まで運びにいった。



