厨房へ入ると、耳に飛び込んできたのはドリンクを作るうるるんの声。
「アズちゃんっ、これ出来る?」
「うん、カシスオレンジやね」
駆け寄って、続きを引き継ぐ。
「そのプリンターから出てくるやつ、どんどん作ってって。すでにいっぱいたまってんねん。ゴメンね!」
カウンター上の小さなプリンターからは、長いロール紙が波打つほどに吐き出されていた。
「テーブルナンバーの配置図、壁に貼ってあるから! それ見て運んでくれるとうれしい」
「了解!」
うるるんはもう、出来上がったお好み焼きを客席へと運んでいる。
えーと……。
厨房を見渡すと、洗い場に立っている大きな背中が目に入った。
桂木さんだ。
なんか一心に洗っていて、こっちにはまったく気づかない様子。
とりあえず、このドリンク作りが落ち着いたら声を掛けよう。



