「確かに、真面目にやっていた富樫さんがやる気を失くしたとしたら、それは会社の責任や。
でもな、店長がやる気失くして一番迷惑したんはお前らやろ? モチベーションも下がるし、仕事も大変になる。それでもお前らが頑張って、店を回してきたんとちゃうんか?」
手首をつかまれた学生は、じっと男を睨みつけている。
「だったら、最期にこんなことをして自分を墜とすな。店を見限って辞めるんなら、堂々と胸を張って出て行け」
迫力のある声に店内がシーンと静まり返った。
「な、なんやねん、オッサン。エラそうに」
「そうやそうや。お前なんかどうせ会社で能なしやから、干されてこんなとこへ回されるんやろ」
「ほんまや。そんなヤツが店長になるような店で働けるかっ」
学生たちは口々に悪態をつく。
それからやっと手首を放された大学生が、男目がけてユニフォームを投げつけた。
あっ。
黒いTシャツが、長身の男の顔面を直撃して、床に落ちる。
他のやつらも続けとばかりに、男に向かって思いっ切りユニフォームを投げつけた。



