「だってな、富樫さんにはボクらが言われてたんやで? バイト辞めるときは、一ヶ月以上前に言わな認めへんぞって。
で、自分はこれかいって感じやわ」
「わかりました。キミは保留ですね」
グイッとユースケの腕をつかむと、スーツの男は彼の体をオレたちのほうへと押しやった。
そうでもしなければユースケは、今にも他の学生たちにつかみかかられるところだったんだ。
怒りの矛先は、当然その男へと向かう。
「何やねん、オッサン。こんな店メチャクチャにしたるぞ」
ガッシャーン。
卓上のソース類や、かつお節の入ったステンレスの缶を、ひとりの大学生が床にぶちまけていく。
「ええぞ。やったれ、やったれ」
他の連中も同調しようと動き出したとき、スーツの男が騒ぐ学生の手首をつかんだ。
「こういうこと、やめとけ」
「うっさいねん。なんや、お前」
大学生は手を振り払おうとするが、力の差は歴然で、動くことすらできなくなっている。



