今度はうるるんが、ポカンと口を開ける番だった。
オレはゲラゲラと笑い出したい気分だったけど、
あ……
気がつくと、入口付近まで止めに走ったスーツの男が、立っていた男子学生数人に囲まれる形となっていた。
「トシ、ヤバいんちゃう……?」
「うん」
オレが立ちあがり近づこうとしたとき、大学生のひとりが声を発した。
「ボクも保留にします」
えっ。
「なっ、何言うてんねん、ユースケ」
そのユースケというのは、学生たちの中でも一番若くて細身の子だった。
「ボク、富樫さんのこと好きやったし尊敬もしてたけど……この辞め方はないと思う」
「「はぁ?」」
突然の裏切りに殺気立つ面々。
だけどユースケは、それには構わず言葉を続けた。



