てか、誰かに見られてたら恨まれる!?
すぐさま辺りをキョロキョロ見てみたけど、誰もいなかった。
『可愛いね、ポニーテール』
「へっ!?」
高校生にもなってポニーテールなんて恥ずかしくて、なかなか見ない…
一度髪を下ろしていくと、かっちゃん達にいつものが良いと言われて以来、ずっとポニーテール。
「可愛くないですよ…」
『俺が嘘つくように見える?』
「人は誰だって嘘をつきます」
『そうかもね。
でも、さっきは本当だから』
真っ直ぐ私を見る目…
ちょっと待って!?
なんで私にそんなこと言うの?
絶対に振られた子の方が可愛いじゃん…
王子様は誰にでも優しいんだよ…
きっとそうだ。
『で、それ課題?』
「はい…」
『教えようか?』
プリントを見てにっこり笑う王子様。
「いいです」
だって、バカにされるの嫌だもん…
王子様ならきっと学年一位の成績とかなんでしょ?
バカな私には無理だよ。
『晴琉って、こう書くんだね?』
「へっ!?」
『佐藤 晴琉かー♪』
この人、私の返事聞いてなかったのかな?
私の前の席に座って、椅子を私に向けて座った…
すると…
まただ…
あの香り…
私がプリントに書いた名前を見て微笑む王子様の目
『イニシャル、同じだね』
「はい!?」

