コラボ小説 【恋する3秒前…】



それってまさか…


よく言う…




「両想いっていうんじゃ…」


『うん』


「ありえない!」




そんな上手い話があるか!!


ないないない!


目の前のにっこり微笑んで私を見る王子様の顔に、嘘はないみたいだけど…




『じゃぁ…これでわかる?』




へっ?


反射的に顔を上げたその時!


前髪を指で上げられて、額に柔らかい感触が…


王子様の唇が私の額に!?




『俺と、付き合ってくれますか?』





驚いて声が出なかった私に、王子様がそっと右手を差し出した…


えっ?


えぇぇ!?


いいの!?


私、明日命ないかも…


恨まれるし憎まれるしいじめられる!?


それはやだ。




「周りの目が怖いので、友達からなら…」


『真面目だねー…
でも大丈夫!
俺が守ってあげるから』




嬉しい…


バカにされてばっかりの毎日が、今日はすごく輝いてる。


ゆっくりと王子様の手に左手を乗せると、ぎゅっと握ってくれた…


王子様の手の温度が伝わってくる…





「私、王子様に会ったとき“恋の香り”がしたんです」


『恋の香り?』


「はい…
絶対、運命の人だって…
あっ!バカだと思いました?」




私を見て目を細めて、クスクス笑い出した。


私だけに向けてくれている…


もっと、たくさん王子様を笑わせて笑顔にしたい…


ずっと、隣に居てほしい。




『恋の香りかー♪
俺は一目惚れ』


「一目惚れ?」


『うん。
俺も運命感じた』




運命の人…


うん。


やっぱり、あの香りは“恋の香り”