あれから王子様を避けている私がいる。
だって、王子様は女の子みんなに優しく微笑んで接するから…
ほら、今も
重たそうな荷物を持っている女の子に話しかけ、荷物を持ってあげている。
なんで私、嫌な思いしてるのかな?
王子様に出会っていなかったら、きっと良い人で終わっていたはず。
なのに、女の子に囲まれる王子様を見るのがいつの間にか嫌いになっていた。
『最近、お前元気なくね?』
「えー…」
『アイツのどこが良いの?』
机に突っ伏せた私に、かっちゃんが隣の席から話しかけてきた。
どこが良い…か?
もう一度、王子様を注意深く思い出す…
栗色の髪色に、綺麗な目で、微笑む姿が好き…
好き…!?
私は今なんと!?
『おい、聞いてんのか?』
「ごめんごめん!
強いて言うなら微笑む姿」
するとつまんなさそうに、ふーんとだけ言った。
かっちゃんも恋とかしたことあったのかな?
過去形?現在進行形?
いつも近くにいても、そんな話はしたことがなかった…

