「今日どこ行くの??」
私も、今日は珍しく早起きして、頑張ってオシャレしてきたけど
カイは、可愛いって言ってくれるかな…?
「水族館」
「え!!やったー!」
これから始まるデートに胸を躍らせながら、カイの歩く後ろに着いて行った。
「切符買わなきゃね!何円だろう」
「買っといた」
「えっご、ごめん、お金…」
「いや、いい」
私が家でバタバタとしていた間に、カイはすでに駅に来ていたんだと分かって申し訳なくなる。
でも、騒動以来たびたび見せてくれるようになった柔らかい笑顔が、私のカバンを探る手を止めて。
「あ、ありが、とう…」
「ん」
くすぐったさに少し俯いた。
改札を通って切符をなおすとすぐに、横から大きな手が出てきた。
何だろうと思って見つめていると、
「ん、」
と顔を赤く染めて恥ずかしそうにするカイがいた。
あれからたまに繋ぐようにはなったけど、やっぱりまだお互い慣れなくて。
私も同じように顔を真っ赤にして手を伸ばした。
「…んっ」
